
「隣の家の塀や木の枝が自分の敷地に越境している…」「境界杭がなくて境界確定ができていない土地は売却できるのだろうか」とお悩みではありませんか。
境界が曖昧で越境物がある土地は、買い手とのトラブルを警戒されて売却が難しくなりがちです。
結論からお伝えすると、越境物があり境界確定をしていない土地であっても、適切な対策や手続きを踏めば売却することは十分に可能です。
本記事では越境物や境界未確定の土地が抱えるリスクから、売却するための具体策、トラブルを防ぐためのポイントまでわかりやすく解説します。
越境物があり境界確定がない土地をそのまま売却するリスク
お互いの敷地の境界線が明確になっておらず、さらに塀や樹木、屋根などの越境物がある土地は一般的な中古不動産市場では敬遠されやすい傾向があります。
ここでは、境界確定を行わず越境物を放置したまま売りに出すことで生じる主な3つのリスクについて解説します。
●買主が住宅ローンを組みにくくなる
不動産を購入する買主の多くは金融機関の住宅ローンを利用します。
しかし、境界が確定していない土地や越境物の問題を抱えた物件は将来的なトラブルリスクが高く資産価値が不確実とみなされ、融資の審査を通しにくくなります。
これにより、ローンの利用を前提とする一般的な買主が購入を断念してしまうケースが増えます。
●契約不適合責任を問われるリスクがある
土地の売買契約を結んだ際、越境物の存在や境界の曖昧さについて売買契約書に正しく明記していないと、売却後に買主から契約不適合責任を追及されるおそれがあります。
最悪の場合、契約の解除や損害賠償、境界確定・越境物撤去の費用請求を求められる事態に発展するため注意が必要です。
●買主から大幅な値下げ交議を求められる
境界確定の手間や越境物による将来的なリスクを購入側が引き受けることになるため、その分をリスク料として売買価格から差し引くよう大幅な値引き交渉を請求されやすくなります。
結果として、周辺の相場価格よりもかなり安い価格でしか手放せなくなってしまうのが現実です。
越境物・境界確定なしの土地を安全に売却する3つの対処法
越境物の存在や境界未確定という課題があっても、あらかじめ適切な対処法を講じることで安全かつスムーズに売却を進めることができます。
ここでは、後々のトラブルを防ぎながら土地を売り切るための具体的な3つのアプローチをご紹介します。
●土地土地家屋調査士に依頼して確定測量を行う
最も確実で高値売却を目指せる方法は、売却前に土地家屋調査士へ依頼して確定測量を実施することです。
隣地の所有者立ち会いのもとで境界線を正式に確定し、境界標を設置します。
境界がクリアになれば買主も安心して購入でき、住宅ローンの審査もスムーズに通るようになります。
●隣人との間で越境物に関する覚書を作成する
確定測量や越境物の撤去がすぐに難しい場合は、隣地の所有者と越境物に関する覚書を交わす方法が有効です。
「将来、建物を建て替える際には越境状態を解消する」「現在の越境状況を相互に認める」といった内容を書面化します。
覚書があれば買主へも合意内容を引き継げるため、トラブルリスクを大幅に軽減できます。
●現状有姿のまま不動産会社に直接買取してもらう
「隣人と関係が悪く境界立ち会いや交渉に応じてもらえない」「確定測量の費用や時間をかけたくない」という場合は、不動産会社への直接買取がおすすめです。
買取業者は自社で境界確定や越境対応を行うノウハウを持っているため、現況のまま最短で現金化できます。
手間をかけず確実に手放したい売主に最適です。
土地の売却活動を進める際の注意点
越境物や境界の問題を抱えた土地を売却する場合、売主側として隠さず誠実に対応することが何よりの防衛策となります。
ここでは、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな取引を行うために押さえておくべき重要な注意点を解説します。
●不動産会社や買主へ告知義務を果たす
越境物の有無や境界が確定していないという事実は、不動産取引における重要な情報です。
これらの問題を隠して売却すると、売却後に買主と重大なトラブルへ発展します。
物件の査定依頼時や売買契約時には現状を隠さず不動産会社と買主にすべて開示し、重要事項説明書に明記してもらいましょう。
●境界確定や交渉にはスケジュールにゆとりを持つ
隣地との境界確定測量を行う場合、立ち会い日程の調整や書類の取り交わしに数ヶ月以上の時間がかかるケースが珍しくありません。
また、隣人が遠方に住んでいる場合や権利関係が複雑な場合はさらに期間が延びます。
売りたい時期が決まっている場合は、できるだけ早い段階から準備に着手しましょう。
まとめ|事前に適切な対策を講じてトラブルのない売却を目指そう
越境物があり境界確定ができていない土地は、そのまま売ろうとすると価格の下落や契約不適合責任などのリスクが伴います。
しかし、「確定測量を行って境界をはっきりさせる」「隣人と越境物の覚書を交わす」「そのまま買取業者へ売却する」といった適切な手順を踏めば、安全に売却を完了させることができます。
まずは土地の扱いに慣れている信頼できる不動産会社や土地家屋調査士に相談し、ご自身の土地の状況やご希望に合わせた最適な売却プランを選択していきましょう。








