
「家を売りたいけれど、まだ住宅ローンが残っている…」これは、不動産売却を考える多くの方が抱える疑問です。
住宅ローンは長期にわたるため、売却検討時に残債があるのは一般的です。
しかし、「ローンが残っていると売れないのでは?」「手続きが複雑そう」といった不安から、売却に踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。
結論として、住宅ローンが残っている状態でも不動産を売却することは可能です。
ただし、売却完了までにローンを完済し、担保となっている抵当権を抹消する手続きが必要です。そして、売却価格とローン残債の関係によって、その後の進め方や必要な対策が変わってきます。
この記事では、ローン残債がある不動産売却の基本から売却価格との関係性、売却の流れと注意点までを解説します。
不動産売却時はローン完済が基本
住宅ローンが残る不動産を売却する際の最も重要なルールは、物件の引き渡しまでに残債をすべて完済することです。
なぜ完済が必要で、そのためにはどのような費用を考慮すべきかを見ていきます。
●抵当権と完済の必要性
住宅ローンを借りる際、金融機関は不動産に抵当権を設定し、ローンの担保とします。
この抵当権が付いたままでは買主へ引き渡せないため、売却時には必ず抹消する必要があります。
抵当権の抹消には、対象ローンの全額完済が条件となります。
●売却代金での完済と諸費用
ローン完済の主な資金は、不動産の売却代金です。
引き渡し時に買主から支払われた代金でローンを一括返済するのが一般的です。
ただし、売却時には仲介手数料や税金などの諸費用も発生します。
これらの費用も考慮した上で、売却代金だけで完済できるかを確認する必要があります。
売却価格と残債の関係|アンダーローン・オーバーローンとは?
売却価格と住宅ローン残債のバランスは、売却の難易度や必要な対策を左右します。
「アンダーローン」と「オーバーローン」という言葉で状況を把握しましょう。
●アンダーローンの特徴
アンダーローンとは、売却価格がローン残債を上回っている状態です。
売却代金でローンを全額返済しても手元に資金が残るため、自己資金の準備なく比較的スムーズに売却を進めやすい状況と言えます。
●オーバーローンの特徴
オーバーローンとは、売却価格がローン残債を下回っている状態です。
売却代金だけでは完済できないため、不足分を自己資金などで補う必要があります。
不足分を用意できないと売却できないため、対策を慎重に検討する必要がある課題の多い状況です。
●状況確認の方法
ご自身の状況がアンダーローンかオーバーローンかを知るには、現在の住宅ローン残高と、不動産会社による現在の査定額を把握し比較します。
この際、複数の不動産会社に査定を依頼し、適正な売却価格を知ることが重要です。
オーバーローンの状況でも売却を諦める必要はありません。
不足額を補う方法や、売却方法を工夫することで解決できる可能性があります。
以下で具体的な対策法をご紹介します。
●自己資金での補填
最もシンプルな対処法は、オーバーローンによる不足額を貯蓄などの自己資金で補うことです。
自己資金で不足分を支払えれば、売却代金と合わせてローンを完済し、問題なく引き渡しができます。
●住み替えローンの活用
住み替えを検討しているオーバーローンの場合、住み替えローンが有効な場合があります。
これは、現在のローン残債と新しい家の購入費用を合わせて借り入れる方法です。
ただし、審査があり、借入額が増える点は考慮が必要です。
●買取・任意売却の検討
一般の買手が見つかりにくい場合、不動産買取や任意売却を検討することもあります。
買取は不動産会社が直接買い取る方法で早期売却が可能ですが、価格は低めです。
任意売却はローン返済が困難な場合に金融機関の合意を得て売却する方法で、競売より有利になる可能性がありますが、特別な手続きが必要です。
ローン残債がある不動産売却の注意点と流れ
ローン残債がある不動産売却は、金融機関との連携など通常の手続きに加えて注意点があります。
スムーズな売却のために流れを把握しましょう。
●残高確認と査定
売却活動開始前に、金融機関からローン残高証明書を取得するなどして正確な残高を確認します。
同時に、複数の不動産会社に査定を依頼し、物件の市場価値と概算の売却価格を把握します。
これにより、資金計画の基礎ができます。
●金融機関と連携する
売却活動開始後、買主が見つかれば売買契約を締結。
引き渡し日までに金融機関と連携し、ローンの一括返済の準備を進めます。
引き渡し日当日に売買代金でローンを完済し、同時に抵当権抹消登記、買主への所有権移転登記、物件引き渡しを行います。
不動産会社や司法書士がサポートしますが、金融機関との連携スケジュール管理が重要です。
●売却失敗リスクへの備え
売却活動を行っても買手が見つからない、希望価格で売却できないといったリスクもゼロではありません。
特にオーバーローンで自己資金補填が難しい場合、売却が成立しないとローン完済もできず物件を引き渡せません。
このような状況を避けるためには、現実的な価格設定や、買取など他の売却方法も検討することが不可欠です。
ローン返済が厳しくなる前に、早めに専門家に相談することも非常に重要です。
まとめ|ローン残債がある不動産は計画的な売却が成功の鍵
住宅ローン残債がある不動産売却では、売却完了までのローン完済が必須です。
売却価格が残債を上回るアンダーローンなら比較的スムーズですが、下回るオーバーローンの場合は、自己資金補填や住み替えローン、あるいは買取や任意売却といった対策が必要です。
正確なローン残高と物件の市場価値を把握し、金融機関との連携を含めた売却の流れを理解することで、スムーズな売却へとつながるでしょう。
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