
ご家族などで一つの不動産を共同所有する「共有名義」の物件。
いざ売却しようとした際に、「他の共有者が売却に反対している」「連絡が取れない」といった理由で、手続きが進められずにお困りの方が多くいらっしゃいます。
共有名義不動産の売却は、単独名義の物件とは異なり、特有の複雑さや課題が伴うため、悩みが長期化してしまうことも珍しくありません。
しかし、共有名義不動産の売却が難しい状況でも、適切な方法を選べば解決できる可能性は十分にあります。
特に、共有者全員の同意が得られない場合に有効な手段として注目されるのが、「不動産買取」、中でも「共有持分買取」という方法です。
この記事では、共有名義不動産売却の難しさの核心、同意の有無による売却方法の違い、そして共有持分買取の仕組みやメリット・デメリット、成功のためのステップまでを詳しく解説します。
共有名義不動産を売却するには全員の同意が必要
売却方法の選択は共有者全員の同意の有無で決めるべき
自身の共有持分のみを売却するメリットは、他の共有者の同意が不要で比較的早期に問題から抜け出せる点です。
デメリットは、持分のみでは買い手が見つかりにくく、価格が大幅に低くなる傾向があること、そして新たな共有者が加わることで他の共有者との関係に影響が出うる点です。
一方共有物分割請求のメリットは、裁判所の判断で共有状態を強制的に解消できる可能性がある点です。
デメリットは、手続きに時間と費用がかかること、必ずしも自分の望む結果になるとは限らないこと、そして他の共有者との関係がさらに悪化する可能性があることです。
●同意なしに有効「共有持分買取」の活用
共有者全員の同意が得られない状況で、ご自身の共有持分を売却したいと考えた場合、その買い手として現実的な選択肢となるのが、共有持分買取を専門に行う不動産会社です。
一般の個人が共有持分のみを買い取るケースは稀であり、専門の知識と経験を持つ買取業者が、このような特殊な権利形態の不動産を買い取ります。
ご自身の共有持分のみであれば、不動産全体の同意は不要であり、他の共有者の意向に関わらず自由に売却できます。
これにより、話し合いが進まない状況でもご自身の意思で手続きを進め、問題を抱えた共有関係から抜け出すことが可能です。
専門の買取業者に依頼する場合、買主を探すプロセスがないため、比較的早期に現金化できる点も大きなメリットです。
しかし共有持分買取にはデメリットもあります。
最も大きな点は、売却価格が不動産全体を売却する場合と比較して大幅に低くなることです。
これは、共有持分のみの権利では自由に不動産を活用できないなどのリスクがあるため、買取価格が低く抑えられるからです。
また、共有持分のみの買い手は専門業者に限定されるため、市場競争が働きにくく、価格が低くなる傾向があります。
共有持分買取を進める際のポイント
共有持分買取をスムーズに進めるためには、信頼できる業者を選び、適切な手続きを踏むことが重要です。
●信頼できる業者の選定
共有持分買取を依頼する業者は慎重に選びましょう。
共有持分買取の実績が豊富で、専門知識を持つ業者を選ぶのがポイントです。
宅地建物取引業の許認可があり、会社の評判や口コミが良いか確認しましょう。
担当者が丁寧で専門知識があるかも重要な判断基準です。
複数の業者から査定を取り、提示された条件や対応を比較検討することも大切です。
●手続きの流れと注意点
共有持分買取の一般的な流れは、問い合わせ・査定依頼、査定価格提示、交渉、売買契約締結、残代金決済・引き渡し(持分移転登記)となります。
契約時には、契約内容を十分に確認し、不明な点は質問しましょう。
●他の共有者への配慮と通知
民法改正により、共有持分を第三者に譲渡した際は、他の共有者への通知義務が課されました。
これは、他の共有者が不測の事態を被ることを防ぐためです。
信頼できる買取業者は、この通知義務についても適切に対応してくれますが、売却する側としても、他の共有者への配慮を忘れず、必要な手続きを丁寧に行うことが円滑な売却に繋がります。
まとめ|共有名義不動産をスムーズに売却するには共有持分買取がおすすめ
共有名義不動産の売却は、共有者全員の同意が必要という点で難しさを伴いますが、解決できない問題ではありません。
特に共有者全員の同意が得られない状況では、ご自身の共有持分のみを売却する「共有持分買取」が有効な選択肢となります。
買取を成功させるためには、共有持分買取の実績が豊富で、信頼できる専門業者を選ぶことがもっとも重要です。
複数の業者に相談し、提示された条件や対応を比較検討することで、安心して任せられるパートナーを見つけることができるでしょう。