
「古い家だから売れないのでは」「価値がないんじゃないか」築年数の経った不動産、いわゆる築古物件の売却は、多くの方が悩む課題です。
一般の買主が見つかりにくく、売却活動が長期化したり、希望する価格で売れなかったりすることも少なくありません。
しかし、築古物件だからといって売却を諦める必要はありません。
売却方法を賢く選ぶことで、スムーズに手放せる可能性は十分にあります。
この記事では、築古物件売却の難しさ、売却方法の比較、特に有効な手段となりうる不動産買取について、そのメリット・デメリット、価格の決まり方、注意点までを解説します。
築古物件の売却はなぜ難しい?
築年数が古い物件が売却市場で敬遠されがちなのは、買主側がさまざまなリスクを考慮するためです。
これらの課題を理解することが、売却戦略の第一歩となります。
●買主視点のリスク
築古物件の購入を検討する買主は、将来的にかかる費用や安全性に不安を感じます。
建物の老朽化による多額の修繕費用が発生する可能性や、現行の基準を満たさない耐震性への懸念は、買主にとって大きなリスクです。
特に1981年以前の旧耐震基準の建物は、耐震改修の費用も重なり、敬遠されがちです。
これらのリスクが、買い手を見つけにくくする要因となります。
●税制上の不利点と費用負担
築古物件は、築年数や耐震基準を満たせない場合、住宅ローン控除などの税制上の優遇措置が受けられないケースが多くあります。
買主にとっての購入メリットが減るため、これも売却を難しくする一因です。
また、建物の状態によっては、購入後にリフォームや解体費用といった多額の自己負担が発生する可能性があり、買主にとっては大きなハードルとなります。
●リフォームか解体かの判断
売主側も、築古物件をより良く見せるためにリフォームを行うか、あるいは建物を解体して更地にするかの判断に悩みます。
リフォーム費用が売却価格に反映されるとは限らず、買主の好みに合わないリスクもあります。
解体には費用がかかる上、固定資産税が増える可能性もあります。どちらの選択が最適かは物件によるため、判断が難しい点です。
築古物件の売却方法は2種類
築古物件を売却する主な方法は、「一般仲介」と「不動産買取」です。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の物件と状況に合った方法を選ぶことが重要です。
●仲介のメリット・デメリット
一般仲介は不動産会社に買主探しを依頼する方法です。
市場価格に近い価格での売却を目指せる可能性がある点がメリットです。
しかし、築古物件の場合は買主が見つかりにくく、売却活動が長期化しやすいデメリットがあります。
価格交渉を強く求められたり、売主の手間や精神的負担が大きくなったりする傾向があります。
●不動産買取のメリット・デメリット
不動産買取は、買取業者が直接物件を買い取る方法です。
築古物件の売却において多くのメリットがあります。
買主を探す期間が不要なため、早期に現金化できます(通常数週間~1ヶ月程度)。
また、現状有姿のまま売却できるため、リフォームや解体、特別な清掃の手間や費用がかかりません。
専門業者への売却となるため、売却後の契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が免責されるのが一般的で、トラブルリスクを回避できます。
さらに、仲介手数料も不要な点も魅力のひとつでしょう。
ただし不動産買取にはデメリットもいくつか存在します。
不動産買取の最大のデメリットは、売却価格が市場価格よりも低くなる傾向があることです。
買取業者は、買い取った後のリフォームや解体、販売活動にかかるコストやリスクを考慮して価格を決定するため、仲介で売却した場合よりも手取り額が少なくなる可能性が高いです。
価格の低下率は物件の状態や業者によって異なります。
メリット・デメリットの両面を踏まえて、どちらの方法がよいか検討してみてください。
築古物件の買取価格はどのようにして決まる?
築古物件の買取価格は、様々な要因を総合的に判断して決定されます。
価格がどのように決まるかを知ることで、より現実的な売却計画を立てることができます。
●土地の価値が基本
築古物件の場合、建物の価値は低いと評価されることが多く、買取価格は土地の価値が大部分を占めます。
建物の状態が極めて悪い場合は、解体費用が価格から差し引かれることもあります。
土地の広さ、立地、形状、法規制などが土地の価値に影響します。
●建物の状態とリフォーム・解体コスト
建物の状態も査定に影響します。
比較的状態が良く、リフォームで活用しやすい場合は建物の価値も評価される可能性がありますが、構造的な問題や著しい老朽化がある場合は、修繕やリフォーム、あるいは解体にかかる多額のコストが考慮され、買取価格に反映されます。
●買取業者の利益とリスク
買取業者は、買い取った物件を再生(リフォームや解体など)して再販することで利益を得ます。
そのため、買取価格は、将来的なリフォーム費用、解体費用、販売活動費、税金、維持費用、そして売却できないリスクなどを考慮した上で算出されます。
これらのコストやリスクを差し引いた金額が買取価格となるため、市場価格より低くなる傾向があるのです。
築古物件の買取をスムーズに進め、後悔しないためには、信頼できる買取業者を選ぶことと、適切な手続きを踏むことが重要です。
●信頼できる買取業者の特徴
築古物件の買取に強い信頼できる業者を選びましょう。
築古物件の買取実績が豊富で、古い物件特有の問題への対応経験が豊富な業者を選ぶのがポイントです。
宅地建物取引業の許認可があり、会社の評判や口コミが良いか確認しましょう。
また、担当者が丁寧で専門知識があるか、複数の業者から査定を取り比較検討することも重要です。
●査定前に準備すること
査定をスムーズに進めるために、物件に関する基本情報(所在地、築年数、構造など)や、登記簿謄本、公図といった資料を準備しておきましょう。
把握している雨漏りや設備の故障などの建物の現状についても、正確に伝えられるように整理しておくとよいです。
売却の希望条件も明確にしておきましょう。
●契約・引き渡しと確認事項
買取業者との交渉成立後、売買契約を締結し、手付金受領、残代金決済、物件引き渡しと所有権移転登記といった手続きが進みます。
この際、買取価格の内訳(土地代・建物代・コスト考慮額など)、契約不適合責任が免責されているか、引き渡し時の物件の状態(残置物など)や時期、査定価格以外の追加費用の有無などを契約書でしっかりと確認しましょう。
不明な点は必ず業者に質問し、納得したうえで進めることが大切です。
まとめ|築古物件は不動産買取がおすすめ
築古物件の売却には特有の難しさがありますが、不動産買取という方法を賢く活用することで、スムーズな売却を実現できます。
不動産買取は、現状のまま早期に売却でき、契約不適合責任も免責されるという大きなメリットがあります。
買取価格は市場価格より低くなる傾向がありますが、築古物件特有の課題を考慮すれば、有効な選択肢と言えるでしょう。
築古物件の売却をお考えの際には、実績豊富で信頼できる買取業者を選ぶことが重要です。
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