ひな壇の土地とは、まさにひな祭りに飾るひな飾りの壇に似たような見た目であるのが特徴です。
斜面に家を建てられるよう階段状に工事がおこなわれていることから、地盤の脆弱性や坂道の多さから売却が難しい土地の一つと言われています。
こちらではひな壇の土地やその上に建っている家が売却しづらい理由や上手に売却する方法についてご紹介していきます。
ひな壇に家を建てるとどんなメリットがある?
ひな壇は通常の土地と比べてかなり異なった形状をしているため、一般的に住宅用地に適していないと認識されています。
しかし、独特な形をしているからこそその地形を生かした使い方ができるのも事実です。
ひな壇の売却をお考えの方はメリットも併せて知っておくことでアピールポイントになりますよ。
ひな壇と通常の土地の一番大きな違いはその形状にあります。
階段状になっているひな壇は道路や通路よりも高い位置に家が建っているため、通行人の視線を気にすることなく生活を送ることができます。
通常の住宅だとどうしても通行人に家を覗かれたり、周辺の家との距離感が近く圧迫感を感じる場合が多いですが、ひな壇ではそのような心配がありません。
周りの家とも十分な距離が取られている場合が多く、境界線のトラブルなども起こりづらいです。
⚫︎防犯性が高い
ひな壇にある家は道路よりも高い位置に家が建っていることが多く、道路を侵入経路として犯罪が起こる確率が通常よりも低くなる可能性があります。
道路と同じ高さに建っている住宅の場合は、道路から家の中の様子をうかがったうえで建物内に侵入するという流れが大半です。
しかし、ひな壇上にあるだけで家の中の様子をうかがうのにひと手間かかるというのが防犯機能の向上へとつながっていると考えられるでしょう。
⚫︎眺望が良い
特にひな壇上段の場合は眺望が良い場合が多く、海が見えるような地域や自然が豊かな地域では非日常を思わせるような素晴らしい絶景が広がっていることもあります。
ただし傾斜の度合いや土地が所在している地域によって眺望の良し悪しは大きく異なりますので、必ずしも眺望が良いとは言いきれません。
ひな壇が売却しづらい理由と対策法
ひな壇の土地や家が売れづらい理由は一つだけではなく、いくつもの要因が重なっています。
こちらでひな壇の弱点をはじめ、それらを解決するための対策法を詳しくご紹介していきます。
ひな壇の売却をお考えの方は対策法を用いて、できるだけ売りやすい状態に改善していくことが重要です。
⚫︎住宅用地として使い勝手が悪い
ひな壇は建築をおこなうために土を盛って高さを上げる盛土や土を削って高さを低くする切土といった造成工事が必要です。
その結果、建築スペースが通常の土地よりも狭く、住宅用地としては使い勝手が悪いです。
しかし、傾斜が緩かったり、擁壁が新しい場合にはそこまで価値が下がることなく売却も可能ですので、まずは査定を依頼することをおすすめします。
⚫︎坂道や階段が多い
ひな壇の特性として坂道や階段が多く、自宅にたどり着くまでもひと苦労であるため、高齢者や子供がいる家庭は特に敬遠してしまう傾向にあります。
対策としては、手すりやスロープをつけたり、一段一段の段差を緩くすると負担が軽減されやすくなります。
⚫︎土砂崩れ・道路のひび割れのリスク
斜面を造成して家を建てているため、当然土砂崩れが起こりやすく、災害時には危険が伴います。
また、地盤が弱く道路がひび割れたり陥没する恐れもあります。
年数が経っていると擁壁や道路の寿命が迫っている可能性がありますので、まずは地盤調査や擁壁調査を依頼して安全性を確かめておきましょう。
⚫︎再建築不可物件であることが多い
ひな壇の多くは法律に抵触するため家の建て替えや新築を建てることができない再建築不可物件となっています。
特に古い土地はできるだけ建築スペースを広げるために道路の幅を狭くした違法建築となっているケースも多く見られます。
基本的に4m以上の幅の道路に間口が2m以上接していなければいけませんが、セットバックをおこない、土地を後退させることで道路幅員を確保することで解決できます。
⚫︎日当たりが悪い
上段に他の建物があると日当たりが悪くなり、特に北向きのひな壇はかなり価格が下がってしまいます。
しかし、設計次第では十分な採光を取ることができますし、逆に日陰をアピールすることができれば買い手がつくかもしれません。
⚫︎解体・改修の費用が高い
解体や改修の費用が通常の土地よりも高いのが難点ですが、更地渡しにすることで買主が決まってから解体をおこなえますので、金銭的負担を少しでも軽減できます。
ひな壇の土地を上手に売却する方法
ひな壇の土地は通常の土地に比べて売りづらい要素がたくさんあることが分かりましたが対策と工夫をすれば十分に売れるチャンスはあります。
上手に売却するコツを3つ紹介しますので、ぜひご参考ください。
⚫︎問題点を解決してから売却する
ひな壇で問題となるのが地盤や擁壁の脆弱性や坂道、再建築不可物件であることではないでしょうか。
まずは各種調査をおこなってから、問題があれば補強や修繕をして買主に負担をかけないようにします。
⚫︎家を取り壊して更地にして売る
ひな壇の上に建っている家が老朽化していて倒壊の危険があるというようなケースではこの方法が有力です。
土地や家の状況によって現況のままか更地で売るべきか異なりますので、適切な方法を選んでください。
⚫︎マイナス面をプラスに変えてアピールする
ひな壇にはあらゆるデメリットや問題がありますが、それらをあえてプラスに捉えてアピールポイントにするのもひとつの戦略です。
例えば、上段に他の家や建物が建っていると日当たりが悪くなる可能性がありますが、真夏の酷暑を考えれば日当たりが悪い方が涼しく快適です。
また、通常の土地に比べて条件が悪いことを理由に、価格が安いというのも「安く土地を購入したい」という方にとっては大きなアピールポイントになります。
「ひな壇だから売れない」と諦めずに、ひな壇だからこそ実現できる条件もあることを知っておいてくださいね。
⚫︎不動産会社に買取を依頼する
不動産会社の中にはへんぴな土地や売却が難しい土地に特化した業者も存在します。
そのような業者に買取を依頼すれば、仲介のように買い手が見つかるまで時間がかかるということがなく、すぐに買い取ってもらえるのが魅力です。
ただし、市場価格より安い買取価格となりますので、その点だけ了承する必要があります。
まとめ
ひな壇は確かに売りづらい土地の一つではありますが、適切な対策、方法により十分に売却可能です。
ひな壇でもっとも重要視されるのは土地や家の安全性なので、場合によっては本格的な補強、改修工事が必要になります。
「早く手放したい」という方は信頼できる不動産会社を探して全てを任せた方が安心できるかもしれませんね。